🔰実習記録の書き方~情報収集編~

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今回は、実習記録の中でも最初に行う事になる「情報収集」に特化して解説するよ。

患者さんの情報を取るんですね!
ところで、どうやって情報収集をするんですか~?

カルテから得られる情報と、患者さん自身との関わりから得られる情報があるよ。
下記で詳しく解説していくね★

目次

情報収集とは?

まず、情報収集とは何か?なぜ様々な情報を取る必要があるのかについて説明しますね。
看護師の仕事として、患者さんの状態を分析し、アセスメントをした上で
その人にあったケアプラン(看護計画)を立案し、ケアを行うという大事な役割があるのですが
患者さんの状態を正しく分析するために、この「情報収集」が必要なのです。
何事もまず情報が無いと、その後の分析が正しく行えませんよね。
看護過程の中では最も初歩的かつ地道な作業ですが、この情報収集をきちんと行えていないと
後の分析や関連図、計画立案も総崩れしてしまう恐れがあります
ので
大変ですが、患者さんの情報はしっかり取るようにしましょう。

情報収集の手段

情報収集の手段としては、主に下記のようなものがあります。

1.カルテから得られる情報
2.患者さん自身の発言や行動

この他、「担当患者さんの面会に来られた方(家族、友人、施設職員など)から得られる情報」も大切になってきます。
また、上記以外として患者さんが特殊な検査やリハビリを受けている場合などは、
看護師以外の専門職種から情報を得られる場合や、受けている最中の患者さんの様子を自分で観察できる機会となる場合もありますので、
検査やリハビリなどには可能な限り同行・見学させてもらいましょう。

情報の「S」と「O」ってどう違うの?

分かりやすく言うと、このようになります。

Sデータ:患者さんの発言
Oデータ:患者さんの発言以外の客観的な情報

ここで注意したいのは、Sデータは「主観的情報」なので飽くまでも「患者本人の発言である事」です。
そのため、「面会に来た患者の家族の発言」などは患者自身の主観的情報ではありません。全てOデータ(客観的情報)に含まれます。

情報の分類

私は、下のような自作の情報分析用紙を使っていました。
恐らくどこの学校でも似たような感じで分析されるのではないかと思ってます。

情報分析用紙(クリックで拡大できます。)

ここではゴードンの枠組みとして使用していますが、クラスターの部分を変更する事で
ヘンダーソンやシスターロイなど、他の枠組みにも幅広く対応できるようになっています(*‘ω‘ *)
下書き用紙と提出用を別にして、下書きにはひたすら情報を書きなぐっていくのもアリだと思います。
自分がやりやすい方法を見つけると良いです✨
※この分析用紙は私が作成したものですので、もし「この分析用紙が欲しい!」って方が居たら
 印刷して勝手に持って行ってもらってもOKです。個別に連絡を頂けたらwordデータもお渡しします。

よく、「取った情報をどの分類に当てはめて良いか分からない!」というお悩みを聞きますが
得た情報を正しく枠組みに落とし込むには、まず、その枠組みの各分類の概要を知る事が大切です。

ここでは、代表的なゴードンとヘンダーソンのアセスメント指針の中で、私が最も分かりやすいと思った参考書を貼っておきます。

どちらの本も、事例を通した具体的な分析例があります。
お手本のような感じで、1冊持っておくと便利だと思います。

当てはまる分類が複数!どのパターンで分析する?

また、「当てはまる分類が複数ある!どれで分析するの?」というお悩みもあるかと思います。
例えば「BMI:27.0(肥満体系)」という情報があるとします。
これをゴードンの枠組みに当てはめると
・パターン①の「健康知覚―健康管理パターン」
・パターン②の「栄養―代謝パターン」
・パターン④の「活動―運動パターン」
と、3つのに当てはまりそうです。
「どれで分析したら良いか分からない」というお悩みのお持ちの方は、
具体的にどのパターンでアセスメントを進めていったら良いのか?という所に困っているのかと思いますが、
正解は、「当てはまる全てのパターンでアセスメントを進める」です。

パターン①:健康知覚―健康管理パターンでのアセスメント
BMI27.0という数値は1度の肥満である。肥満とは単に体脂肪が蓄積しているという状態を指しているだけでなく、生活習慣病の要因にもなり得るため……等、
「肥満によって健康にどのような影響が与えられている状態か」「今後どのような健康被害が予想されるのか」といった情報を踏まえながらアセスメントします。

パターン②:栄養―代謝パターンでのアセスメント
患者の推定エネルギーは●●kcalである。日頃の食生活を見直し、体重の減少を図る必要がある。
患者がバランスの取れた食事を行えるよう管理栄養士とも連携を行い、家族を含めての指導を検討する……等、
「現在の患者の肥満状態を改善するにはどのような食事改善が必要か?」といった視点でアセスメントします。

推定エネルギー必要量(kcal/日) = 基礎代謝量(kcal/日) × 身体活動レベル

正確に分析するには、患者の年齢や身体活動レベルなどその他の情報も必要です。

パターン④:活動―運動パターンでのアセスメント
患者の普段の運動習慣についての情報が必要である。
筋肉量を増大させ、基礎代謝を向上させる効果的な運動方法について理学療法士より助言を得る…等、
「患者の運動習慣や、肥満の状況を改善させる為に日常生活の中でどのような運動を心がけるべきか?」という視点でアセスメントします。

「BMI:27.0」というたった1つの情報でも、複数のパターンに当てはめて考える事で
それぞれのパターンに沿ったアセスメントとなります。

何も情報が取れないパターンがある!分析できない!

例えば、
・「⑨性―生殖パターン」
・「⑪価値―信念パターン」
この辺りは、⑨で詳細に分析するのは母性実習くらいで、他の領域では細かく分析する事はほとんど無いかと思います。
⑪に関しては患者に信仰や特別な信念などが無い限り、分析できるだけの情報を得るのは難しいかもしれません。
このような場合は、
・情報が得られた場合:得た情報をひとまず書き出し、それについて問題があるのかどうかを分析
・情報が得られない場合:無理に得ようとする必要はありません。情報欄は空白のまま、分析欄に「必要に応じて情報を取る」「情報が無いため分析解釈できない」等と記載します。

今回は、情報収集について解説してみました。
看護過程の展開に関する、他の場面での解説についても今後記事にしていく予定です✨

アセスメントについてはこちらの記事も参考にどうぞ!

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この記事を書いた人

はるさんです。
4年制看護学校を卒業後、看護師になりました。
二次救急指定病院で病棟・外来・手術室看護師として勤務。
現在は看護師をしながらフリーライターとして活動中です。
このブログは看護学生さんへの学生生活や実習のお役立ち情報を主に発信していく予定ですが、趣味の事などもつぶやこうかなと思ってます。
長らく更新を停止していました。
以前のコンテンツ(アセスメントや看護計画など)については、NOTEにお引越ししています。
よろしくお願いします(*'▽')

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