A君は、本人も自覚していましたが周りの友人との協調性があまり高いほうではなく
自分から話しかけるタイプではありません。
前の学年でも同じだったようで、話を聞いてみると
「現役の人たちとは二回り近く歳が離れすぎているので関わりにくい」と言っていました。
人間関係ができあがっているところに復学してきたA君が入っていくという環境もなかなか難しかったのかもしれません。
かといって、同じく留年で前に同じ学年だった人たちにも積極的に話をしにいく感じではありませんでした。
実習メンバーとのコミュニケーション不足という事も実習停止の間接的な原因のひとつに繋がっていたのかもしれないという事は
問題が起こるまで、A君本人も気づいていませんでした。
領域別実習は、実習が始まる前に
全ての領域においての実習場所・グループ分け・担当教員があらかじめ決められます。
全てのグループが同じ領域の実習に行くわけではなく、
母性、小児、在宅、精神、老年の各領域でローテーションする形です。
前の学年でA君は
小児看護学実習(病棟、保育園)に行く前に他領域の実習がいくつかあり
そちらは問題なくクリアできていたとの事で
まさか自分が保育園実習で落とされるとは本人も思っていませんでした。