看護アセスメントの基本について

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アセスメント、苦手です。
どんな事を情報収集して、どういう事を記録に書けば良いんでしょうか・・・

私も学生さんの頃は苦手だったなぁ・・・
今回の記事では、苦手意識を感じる事も多い「アセスメント」について
基本の「き」から解説していくよ♪

今回の記事では、看護学生・看護師が患者さんと関わるにあたっての基本である
看護アセスメントについて解説します。
アセスメントのコツや効率の良い情報収集などについては
実習が進むにつれて数をこなしていっても、コツを掴むのがなかなか難しいところがあるかと思いますが
アセスメントの基本を考えるにあたって、この記事が少しでも参考になればと思います。

目次

アセスメントの定義と目的

看護アセスメントの目的は、患者さん一人ひとりの健康状態やニーズを詳細に理解することです。
これには、身体的な評価だけでなく、心理的、社会的、スピリチュアルな側面も含まれます。
アセスメントを通じて、患者さんの生活背景や価値観を把握し、それを看護計画に反映させることが大切です。
また、アセスメントは患者さんの状態の変化を捉え、看護の質を高めるためにも重要な役割を果たします。

これにより、個々の患者さんに合わせた看護計画を立てることができます。

アセスメントのプロセスと結果

アセスメントとは、患者さんの健康状態を評価することです。目的は、患者さんの現在の健康状態を正確に理解し、必要な看護計画を立てることにあります。看護師は、アセスメントを通じて、患者さんのニーズを把握し、それに応じたケアを提供するための情報を収集します。

アセスメントのプロセスは、患者さんとのコミュニケーションから始まります。看護師は、観察、聴取、触診などの方法を用いて、患者さんの情報を集めます。この情報は、患者さんの病歴や生活習慣、家族歴など、多岐にわたることがあります。

アセスメントの結果は、看護計画の設定に不可欠です。患者さん一人ひとりの状態に合わせた個別のケアプランを作成するために、看護師はアセスメントで得た情報を活用します。

適切なアセスメントを行うことで、患者さんにとって最適な看護介入が可能になるんですね。

アセスメントの種類

看護アセスメントにはいくつかの種類があります。初めて患者さんに会ったときに行う「初期アセスメント」、定期的に行う「継続アセスメント」、特定の問題に焦点を当てた「焦点アセスメント」、緊急時に行う「緊急アセスメント」などがあります。それぞれのアセスメントは、患者さんの状態や必要に応じて選ばれます。

初期アセスメントは、患者さんの全体的な健康状態を把握するために行われます。これにより、看護師は患者さんの基本情報を得て、今後のケアの方向性を決定します。継続アセスメントは、治療の効果を評価したり、状態の変化に対応したりするために重要です。

焦点アセスメントは、特定の健康問題やリスクに対して行われます。例えば、転倒のリスクが高い患者さんに対しては、転倒予防に関するアセスメントが行われます。緊急アセスメントは、急変時や事故後など、迅速な対応が求められる状況で実施されます。

アセスメントの枠組み

看護アセスメントの枠組みは、患者の健康状態を評価し、適切な看護計画を立てるための基盤となります。
その中でも、ヘンダーソンとゴードンの理論は特に有名です。

ゴードンの理論

ゴードンは「機能的健康パターン」理論を考案しました。これは、「機能的健康」の各領域における看護アセスメントのための包括的な枠組みに基づいてアセスメントを行うものです。
このモデルは、看護プロセスのアセスメント段階において、患者の完全な情報を収集するのに役立つとされています。
ゴードンの枠組みは11パターンに分かれており、それぞれについて患者の情報を当てはめながら
情報を分析し、看護診断を導き出します。

ヘンダーソンの理論

ヴァージニア・ヘンダーソンは、患者が独立して日常生活を送るための支援の重要性を強調しました。
ヘンダーソンによれば、看護師の役割は、患者を補助する(助ける)、代行する(患者に代わって行う)、補完する(患者と共に働く)の3つの側面があります。
彼女の看護の定義は、「看護の独特な機能は、個人が健康、またはその回復(あるいは平和な死)に寄与する活動を、必要な力、意志、知識があれば自力で行うことを助け、かつ、できるだけ迅速に独立を獲得するように援助することである」と述べています。
ヘンダーソンの枠組みは患者の基本的なニーズを満たすために必要な14パターンに分かれています。
患者のニードの充足を考えながら、それぞれの枠組みに情報を当てはめて分析していきます。

下記にゴードン・ヘンダーソンのアセスメント具体例ございます!

アセスメントの手順

看護アセスメントを行う際の手順には、いくつかのステップがあります。
まず、患者さんとの関係構築から始めます。信頼関係を築くことで、患者さんは自身の状態や懸念をオープンに話しやすくなります。次に、データの収集が行われます。これには、患者さんの主訴、病歴、身体的な検査結果などが含まれます。

データ収集後、看護師はその情報を分析し、患者さんのニーズを特定します。そして、そのニーズに基づいて看護計画を立て、介入を行います。最後に、アセスメントの結果と介入の効果を評価し、必要に応じて計画を調整します。

看護アセスメントは、患者さんに最適なケアを提供するための基盤となります。看護師は、このプロセスを通じて、患者さんの健康状態を継続的にモニタリングし、ケアの質を高めるための情報を収集します。患者さんの安全と快適さを確保するためにも、アセスメントは欠かせないステップです。

アセスメントデータの記録方法

アセスメントデータの記録は、看護の質を保証する上で重要です。記録は、患者さんの状態に関する詳細な情報を含むべきで、後にケアの評価や計画の修正に役立ちます。記録には、患者さんの主訴、観察された症状、行われた検査の結果、そして看護師の専門的判断が反映されるべきです。

記録方法には、SOAP(主訴、客観的所見、評価、計画)やDAR(データ、アクション、レスポンス)など、様々なフォーマットがあります。どのフォーマットを使用するかは、施設の方針や看護師の好みによって異なりますが、いずれにしても情報は明確で、迅速にアクセスできる形である必要があります。

記録は、法的文書としての役割も果たします。そのため、正確さと詳細さが求められます。看護師は、アセスメントの各段階で得た情報を時間通りに、そして適切な形式で記録することが求められます。これにより、患者さんのケアに関わる全てのスタッフが、必要な情報を共有し、連携を取ることができます。

アセスメントの際のコミュニケーションスキル

看護アセスメントを成功させるためには、コミュニケーションスキルが非常に重要です。患者さんとの信頼関係を築くためには、傾聴、共感、適切な質問技術が必要です。看護師は、患者さんが自分の言葉で話せるようにサポートし、その情報から重要なデータを抽出する能力を持つ必要があります。

コミュニケーションは、患者さんの心理的な安心感を高めることにも繋がります。患者さんがリラックスして自分の状態を話せる環境を作ることで、より多くの情報が得られることがあります。また、非言語的コミュニケーション、例えば身体言語や表情も、患者さんの感情や状態を理解する上で役立ちます。

看護師は、患者さんの言葉だけでなく、その背後にある意味や感情を読み取ることも大切です。これにより、患者さんが直面している問題やニーズをより深く理解し、適切なケアを提供することができます。良いコミュニケーションは、患者さんとの関係を強化し、看護の質を向上させる鍵となります。

アセスメントの際の観察ポイント

看護アセスメントにおける観察は、患者さんの状態を正確に把握するために不可欠です。観察ポイントには、生命徴候、皮膚の状態、呼吸、意識レベルなどがあります。これらの観察を通じて、看護師は患者さんの健康状態に関する重要な情報を収集します。

観察は、単に見ることだけではなく、聴く、触れる、そして時には嗅ぐことも含まれます。
例えば、皮膚の観察では、色、湿度、温度、弾力性などをチェックします。
呼吸の観察では、呼吸の速さ、深さ、リズム、労作を評価します。
意識レベルの観察では、患者さんが環境にどの程度反応しているかを確認します。これには、話しかけたときの反応や、痛みへの反応などが含まれます。生命徴候の観察では、心拍数、血圧、体温、呼吸数などを測定します。

これらの観察ポイントは、患者さんの状態を評価し、適切な介入を行うための基礎となります。看護師は、これらの観察データをアセスメントの他の要素と組み合わせて、患者さんの全体的な健康状態を把握します。

こちらに挙げている観察は飽くまでも一例ですので
実際には患者さんの疾患や状態に沿ってもう少し踏み込んだ観察が必要となります。

時間経過後の比較

看護アセスメントにおいて、時間経過後の比較は患者さんの状態の変化を把握する上で非常に重要です。例えば、患者さんが新しい治療を開始した後、その効果や副作用を評価するためには、治療前と治療後の状態を比較する必要があります。また、慢性疾患の患者さんの場合、定期的なアセスメントを通じて病状の進行具合をモニタリングすることが重要です。

このプロセスは、具体的なデータや観察を基に行われます。たとえば、疼痛の程度を数値で評価する疼痛スケールや、活動能力を評価するバースルインデックスなど、定量的な評価ツールを用いることが一般的です。また、患者さんの自己報告による情報も重要な比較の材料となります。

時間経過後の比較を行う際には、以下の点に注意が必要です。

  1. 同じ条件下での評価:比較するためには、同じ条件、例えば同じ時間帯にアセスメントを行うことが重要です。
  2. 定期的な記録:変化を正確に捉えるためには、定期的に記録を取ることが必要です。
  3. 患者さんの主観的な変化の把握:数値だけでなく、患者さんの感じている変化にも耳を傾けることが大切です。

例えば、疼痛管理においては、治療前後で疼痛スコアがどのように変化したかを記録し、その情報をもとに治療計画の調整を行います。また、患者さんが「以前よりも歩けるようになった」といった主観的な報告も、アセスメントの際には価値のある情報となります。

このように、時間経過後の比較を通じて、患者さんの状態の変化を正確に把握し、より良い看護ケアを提供するための基盤を築くことができます。 

まとめ

看護師によるアセスメントは、患者さんの状態の変化を正確に把握し適切なケアを提供するために不可欠です。
治療の効果や病状の進行を評価するためには、治療前後や定期的なアセスメントのデータを比較することが重要であり、同じ条件下での評価、定期的な記録、患者さんの主観的な変化の把握がポイントとなります。
疼痛スケールやバースルインデックスなどのツールを用いて定量的な評価を行い、S情報となる患者さんの自己報告も大切にしましょう。

適切にアセスメントを行い、
患者さん一人ひとりに合わせた質の高い看護を実現させていきましょうね。

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この記事を書いた人

はるさんです。
4年制看護学校を卒業後、看護師になりました。
二次救急指定病院で病棟・外来・手術室看護師として勤務。
現在は看護師をしながらフリーライターとして活動中です。
このブログは看護学生さんへの学生生活や実習のお役立ち情報を主に発信していく予定ですが、趣味の事などもつぶやこうかなと思ってます。
長らく更新を停止していました。
以前のコンテンツ(アセスメントや看護計画など)については、NOTEにお引越ししています。
よろしくお願いします(*'▽')

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